翻訳証明書とは:記載事項と、提出先が翻訳者に求めること
日本の役所に英語の書類を出すときは、日本語の訳文に加えて、翻訳者の氏名・署名・住所・翻訳した日などの記載を求められることがあります。翻訳証明書は、訳文が原文書を翻訳したものであることを翻訳者や翻訳会社が証明し、これらの記載を一つにまとめた書類です。求められる記載は提出先によって異なります。
提出先が求めるのは、訳文と翻訳者の記載
戸籍の届出、在留資格の申請、帰化許可申請などでは、外国語の書類に日本語の訳文を付けます。手続きによっては、訳文に翻訳者の氏名・署名・住所・翻訳した日などの記載も求められます(下の表)。
翻訳証明書の様式は法令で決まっていないため、提出先が求めるこれらの記載がそろっていることが大切です。翻訳証明書は、それを一つの書面で示すためのものです。
翻訳証明書に書く事項
- 原文書の名称と発行機関
- 翻訳した言語(例:英語から日本語)
- 添付の訳文が原文書を翻訳したものである旨
- 翻訳者(翻訳会社の場合はその名称と責任者)の氏名と住所
- 翻訳した日
- 翻訳者の署名、または記名と押印
いずれも、次の表のような提出先の求めに対応するための事項です。提出先が独自の書式を指定している場合は、それに従ってください。
提出先が翻訳者に求めること
| 手続き | 翻訳者について求められること | 根拠 |
|---|---|---|
| 戸籍の届出(婚姻、出生など) | 翻訳者を明らかにした訳文。市区町村によっては、訳文中の訳者の記名(武蔵野市)、訳文末尾の訳者の署名(千葉市)、翻訳日・翻訳者の氏名と住所(大阪市北区)も | 戸籍法施行規則 第63条、各市区町村の案内 |
| 在留資格の申請、永住許可申請 | 翻訳が正確で、翻訳者の署名があること(誰が翻訳してもよい) | 出入国在留管理庁のQ&A |
| 帰化許可申請 | A4判の全文の訳文に、翻訳者の住所・氏名と翻訳年月日。東京法務局・福岡法務局は、訳文の氏名や出生地をカタカナ・ひらがな・漢字で書くよう求めています | 法務局「帰化許可申請のてびき」ほか |
| 国外に住む親族の扶養控除 | 日本語の翻訳文。翻訳者についての定めはありません | 国税庁の案内 |
| 外国の運転免許証からの切替(免許証そのもの) | 免許証を発給した外国の行政庁、その国の領事機関、または法令で定める者が作成した翻訳文 | 道路交通法施行規則 第18条 |
届書に添付する書類その他市町村長に提出する書類で外国語によつて作成されたものについては、翻訳者を明らかにした訳文を添付しなければならない。提出資料が外国語で作成されている場合には、訳文(日本語)を添付してください(出入国管理及び難民認定法施行規則第62条)。翻訳が正確であり、翻訳者の署名があれば、どなたが翻訳しても結構です。自分で翻訳する場合に必要なこと
戸籍の届出では、法務省が「翻訳者は本人でもかまいません」としています。在留資格の申請(出入国在留管理庁のQ&A)と帰化許可申請(法務局のてびき)でも、本人を含め誰が翻訳してもよいとされています。
自分で翻訳する場合も、提出先ごとに求められる記載(翻訳者の氏名・署名・住所・翻訳日など)を確かめて訳文に入れ、全文の翻訳を求める提出先では原文書のすべてを訳す必要があります。運転免許証の切替では、免許証そのものの訳文を本人や一般の翻訳者が作ることはできません。
公証やアポスティーユとの違い
翻訳証明書は、翻訳者や翻訳会社が訳文について証明するものです。公証人による公証や、外国の公文書の署名や印を証明するアポスティーユとは別のものです。上の表の手続き(戸籍の届出、在留資格の申請、帰化許可申請、扶養控除)の案内には、訳文に公証やアポスティーユを求める記載はありませんでした。
ただし、医師・看護師などの国家試験の受験資格の申請では、書類と日本語訳の両方について、その国の大使館・領事館などの確認を求められます(成績証明書・卒業証明書のガイド)。
当サービスの訳文と翻訳証明書に記載していること
- 訳文の末尾:翻訳日と、翻訳責任者として当社代表者の記名と社印、当社の住所。表の提出先が挙げる、翻訳者の氏名・住所・翻訳日にあたる記載です
- 翻訳証明書:原文書の名称と発行機関、翻訳言語、発行者(当社の商号・法人番号・住所)と翻訳責任者、証明書番号と発行日
- 原文書の全文の翻訳。照合用のURLとQRコードで、誰でも証明書の発行状況を確認できます
- 氏名のカタカナ表記を指定いただいた場合は、訳文の氏名をカタカナで書き、原文の表記を()内に併記します
訳文を受け付けるかどうかは提出先が判断します。提出先が独自の書式を指定している場合は、それに従ってください。
よくある質問
翻訳証明書に決まった書式はありますか?
法令で定められた書式はありません。提出先が求める記載(翻訳者の氏名、署名、住所、翻訳日など)がそろっていることが大切です。
翻訳証明書は誰が作れますか?
戸籍の届出、在留資格の申請、帰化許可申請では、本人を含め誰が翻訳してもよいとされています。翻訳会社に依頼すれば、記載事項をそろえた訳文と翻訳証明書を受け取れます。運転免許証そのものの訳文は、決められた機関のものに限られます。
翻訳証明書に署名や押印は必要ですか?
提出先によります。出入国在留管理庁のQ&Aは翻訳者の署名を挙げ、千葉市は訳文の末尾に訳者の署名を求めています。帰化許可申請のてびきが求めるのは、翻訳者の住所・氏名と翻訳年月日の記載です。
翻訳証明書は公証やアポスティーユと同じですか?
違います。翻訳証明書は翻訳者や翻訳会社による証明で、公証人の公証やアポスティーユではありません。戸籍の届出、在留資格の申請、帰化許可申請、扶養控除の案内では、訳文の公証は求められていませんでした(医師・看護師などの国家試験の受験資格を除きます)。
このページは一般的な情報です。必要な書類や訳文の形式は、国や届出先によって異なり、変更されることがあります。届出の前に、提出先の最新の案内を確認してください。
出典
ほかのガイド
- 英文書類の日本語訳が必要な主な手続きと、翻訳者についての決まり
- 国外に住む家族の扶養控除に必要な翻訳文(年末調整・確定申告)
- 外国籍の方との婚姻届に必要な書類と日本語訳文
- 海外で生まれた子の出生届・国籍留保と出生証明書の日本語訳
- 外国籍の家族の住民登録:世帯主との続柄を証明する書類と翻訳文
- 家族滞在・配偶者の在留資格の申請に必要な翻訳文(結婚証明書・出生証明書)
- 留学の在留資格申請:預金残高証明書など経費支弁の書類と翻訳文
- 永住権の申請に必要な外国語書類と日本語訳(永住許可申請:婚姻証明書・学位証明書・理由書)
- 成績証明書・卒業証明書の日本語訳:大学院出願・編入、在留資格、国家試験の受験資格
- フィリピンの出生証明書・婚姻証明書・CENOMARの日本語訳と婚姻届
- アメリカの出生証明書・婚姻証明書の日本語訳:州の証明書(long form)と婚姻届の宣誓供述書